甘く刺激的な香りのエキゾチックなスターアニス。クリスマス用のクッキーや冬のホットドリンクにぴったりの香辛料です。
スターアニスは、トウシキミという高さ10メートルにもなる常緑樹の果実を乾燥させたもの。八角や大茴香という名でも知られています。果実は年3回収穫することができ、1本の木から年間30~40キロのスターアニスが生産されます。栽培地の大半は東南アジア。
中国では3000年前から使われており、16世紀にヨーロッパに入り、それから200年を経てドイツに紹介されました。香りはヨーロッパ原産のアニス(セリ科の一年草)と似ていますが、風味も香りもボリュームがあり、リコリス(スペインカンゾウ)のような刺激が感じられます。スターアニスもアニスも香りの主成分は抗菌作用があるとされるアネトールで、どちらも自然の治療薬として使われてきました。スターアニスの果実は、6~10個の角がある星形をしており、それぞれの角に種が1個ずつ入っています。香辛料は、種だけでなく乾燥させた果実全体を挽いたもの。また、花椒、シナモン(桂皮)、クローブ(丁香)、フェンネル(小茴)などとブレンドすると、中華料理によく使われる五香粉になります。クリスマスのクッキーやスパイスティー、ホットカクテルのラムトディなど、寒い季節にぴったり。また、かわいらしい星の形と独特の甘い香りは秋からクリスマスにかけてのデコレーションにも活躍します。