乾式加熱、湿り蒸気、温風――どの調理法にもそれぞれ利点とそれならではの魅力があります。 だからこそ調理は多彩でわくわくするのです。 料理史をひもとき、ちょっとした調理の旅に出てみましょう。 ゆでる、揚げる、蒸す、あぶる、煮込む、湯通す――こうした調理法の共通点は、まず熱することです。 原始人が落雷から火を偶然に発見し、後に肉は加熱後の方がはるかに消化しやすいことに気づくと、進化史おける巨大な1歩が踏み出されました。 約150万年後の今でも、炎と炭火は調理のエネルギー源として世界中で広く用いられています。 その間、私たちの先祖は火の起こし方だけでなく火のコントロールの仕方も学び、その結果としてさまざまな時間や温度で調理しています。 一方、電気が発見され、それが加熱に応用されてようやく、人類は世界のあちこちで炎や炭火を使わなくてもよくなりました。 初の電気コンロは19世紀の中頃にアメリカで開発されました。 調理法を極める流れは、IHクッキングヒーターとその自在な調理ゾーンによりまったくの新次元に達します。 調理史におけるもう1つ重要なステップは、4,000年前のオーブンの発明でした。当初のオーブンは地面に掘った焼成空間で、私たちの先祖はまったく新しい料理を作れるようになりました。 オーブンもコンロと同様、やがて炎や炭火を使わなくても済む存在になりました。 今日では、電気を使える地域でモダンなビルトイン機器として使われており、中にはグリルや空気循環の機能が付いたものもあります。 スチーム調理という穏やかな調理法は古代中国で知られていました。 食材は二重壁の調理器に入れられ、液体と離して蒸されました。 現代のスチームクッカーでは、湿潤空気と乾式オーブンの熱を組み合わせて、食材を穏やかに加熱調理します。 キッチン機器の歴史は、時間、エネルギー、材料、さらには危険性の節約、削減の歴史でもあります。 同時に、完璧を目指す優れた技法の一例でもあります。 私たちの大規模なレシピデータベースには、さまざまな調理法の膨大なレシピが収められています。