インド発祥で今や世界中で愛されているパンチ。日本ではポンチとも呼ばれ、ドイツの詩人シラーはこの飲み物に捧げた「ポンチの歌」という作品を残しています。
パンチは、17世紀にイギリスの船員によってヨーロッパに持ち込まれた香り高い飲み物。もともとは、水、酒、果物、レモン汁、スパイスの5種類の材料をミックスしたインドの飲み物で、ヒンディー語で「5」を意味する「パーンチ」と呼ばれていたものが英語で「パンチ」となりました。その後、ミックスする材料もバラエティが広がり、インドや中東のアルコール度数が高い酒で世界最古の蒸留酒のひとつとされるアラックの他、紅茶、ライムやダイダイの汁、砂糖などが加わりました。現在ではアラックのかわりにラムを使うことが多いようです。パンチは、ウイキョウ、オレンジ、ショウガ、バニラ、クローブなどの独特の香りがあるのが特徴。最後にレモン汁や無農薬レモンの皮をおろしたものを加えて仕上げます。パンチはもともと温かい飲み物でした。昔ながらの味わいを試してみたいという時は、弱火で加熱することが大切。味と香りとアルコール分がとんでしまいますので、沸騰させるのは厳禁です。もちろん、冷たく冷やしてもOK。18世紀にはホットとアイスの両方とも人気で、イングランドを訪れた際に初めてパンチを口にしたモーツァルトは、どちらも甲乙つけがたい美味しさと大変気に入ったようです。
1〜2人分
ショウガ大1片、無農薬オレンジ1個(皮と汁100mlを使用)、ウイキョウ1〜2個、クローブ2片、バーベナ茶ティーバッグ2個、100%エルダーフラワージュース大さじ4〜5杯、ハチミツ小さじ2〜3杯、ブランデー大さじ1〜2杯(好みに応じて)
1. ショウガは皮をむいてごく薄くスライスし、オレンジは半分だけ皮を薄くむいて、ウイキョウとクローブと一緒に鍋に入れ、250mlの水を加えて弱火で加熱します。
2. 鍋を火から下ろし、バーベナ茶ティーバッグを加え、蓋をして5分間むらします。ティーバッグを取り出し、オレンジを搾った汁とエルダーフラワージュースを加え、再び弱火で加熱し(沸騰させないでください)、ハチミツを加えます。
3. 中身を茶濾しなどで濾しながら耐熱性のグラスやカップに注ぎ、オレンジの皮を飾ります。お好みでブランデーを加え、出来たてをご賞味ください。
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